『神戸』エッセイ6500字/アマメ庵
 
っきよりも僅かに暖かになっていた。
近くの幹線道路をトラックが行き、左手の公園で子どもたちが戯れている。
ぼくの鼓動は早く、作業服のポケットに突っ込んだ手は汗を掻いている。
スーパーの2階にある控え室の前で待ち合わせる。
そう、初めて彼女とあったのもこの場所だった。

mixiという流行のインターネットサイトで知り合った。
あれから2年足らず。
食事に行って、水族館に行って、付き合うことになって、何度も食事したり、いろんなところに行ったり、時に肌を重ねたり、距離を隔てて交際した二人はなにより沢山電話したね。
そして、君を泣かせ、別れることになって、それでも沢山電話したね。
君は
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