『神戸』エッセイ6500字/アマメ庵
を読み込み、早口で金額を読み上げる彼女がいた。
そんな姿を確認すると、ぼくは隠れるようにしてお菓子コーナーへ。
彼女の好きなチュッパチャプスを一握り掴む。
それにアクエリアスのペットボトルを一本。
そして、彼女が担当するレジにお客さんがいなくなるのを見計らい、ぼくはレジに進んだ。
下向き加減でレジに近づく。
下を向いて、レジスターの操作をする彼女。
ぼくは、彼女の前に立つと、わざとパラパラと音がするようにチュッパチャプスをレジ代に置いた。
「お願いします」と、クールに笑いかける。
「いらっしゃいませぇ」と、元気に挨拶が返ってくる。
彼女の目が手元からこちらを向く。
午前中
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)