『神戸』エッセイ6500字/アマメ庵
方が、良かったかも知れない。
「どこで知り会うたん」
「ダーツバー」
やっぱり。
「もうどれくらい、付き会うてんの」
「一ヶ月くらい」
ぼくがラブレターを送った頃だ。
あの手紙をあとひと月早く出していたら、結果は変わったか。
たら、ればは無意味だ。
「お花、綺麗だね」
花壇を見て、無邪気に彼女は言う。
「変わったね」
以前は、花を見て綺麗だなんて言うことはなかったのに。
「そうかな」
いや、君は変わった。
ぼくと別れ、他の男性と知り合い、確かに君は変わった。
より魅力的になったと言って良い。
ぼくの、知らない一面を見せた彼女。
寂しかった。
二人で歩い
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