『神戸』エッセイ6500字/アマメ庵
少しでも長く、彼女との時間を共有したかった。
昼時のファミリーレストランは、真剣な話に向かない。
やはり、トラックの中で会えば良かった。
先月の長いラブレター。
彼女も、今日ぼくが来た理由はわかっているはずだ。
(ぼくのこと、どう思てんねん)
(この間の手紙、読んでくれたんやろう)
こうして話しをして、食事をしていると、別れてしまったことも忘れてしまいそうになる。
食事が済み、テーブルが片付けられた。
ぼくに残されたタイムリミットは近づいているはずだ。
「あたしなぁ、最近ダーツに嵌ってんねん」
「そうなんや」ちょっと前の電話でも耳にした話しだ。
「なんか、あんなに熱中で
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