詩であり論であるということ/葉leaf
 
。q3では「本能的に影は浮力のものだ」という一般論が語られているが、これは世界に存在するあらゆる影について語っているのであり、記述のカバーする事象領域はきわめて広い。それゆえ、特定の影について通常ありえない記述をするよりも、読者に強い驚きを与えることができている。特定の影について新奇な認識を提示しても、ほかの影については日常的なあり方をしているかもしれないので驚きはさほど強くないのである。
 次に、(3)事実を特定の基準に照らして判断する場合。これは詩人が得意とするもので、例えば比喩はこの類型に入るだろう(ちなみに比喩は事実と事実の類似関係を見出すものだから(1)の類型にも該当する)。


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