詩であり論であるということ/葉leaf
 
。だが、そもそも夢に傷口など存在しないのだから、おののきが夢の傷口を裂くこともありえず、そのような原因はありえず、そのような原因と結果の関係もありえない。ありえない原因と結果の結びつきで驚きを導いている。
 また、事実と事実を関係でつないでいくことは、詩の世界を広げていく一つの方途である。

q5.枯れかけた一本の街路樹がかたく眼を閉じている。その想念にみずみずと息づいている一本の若木(中略)。しかし、気がつけば、この都市の枯れかけた街路樹のすべてが、その想念の中にある。その想念の総体が、森である。死者たちも、ときおり、その森で遊ぶ。(57ページ)

ここでは、「街路樹」と「想念」と「森
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