詩であり論であるということ/葉leaf
 
れは評価であり、論と呼ぶにふさわしい。

q3.本能的に影は浮力のものだ。だが、それでもなお、影は物質として微量の重さを持っている。したがって、鳥たちは、空の深みへ影を捨てにゆく。(51ページ)

本詩集は、特定の都市について語るという体裁をとっていて(「この都市」という表現を使っている)、およそ都市一般について語っているわけではない。だが、ほとんどの記述は一般名詞で語られるので、どの記述が普遍的な命題で、どの記述が「この都市」内部でのみ通用するのかは微妙である。「影」「浮力」「重さ」については普遍的に語っているようであり、その部分については論である。だが、「鳥」についての記述は、「この都
[次のページ]
戻る   Point(3)