島野律子小感/葉leaf
 
達されている。q3では「道具が存在する」ことや「道具が働きかける」ことが主張されているのではない。つまり、q3における詩行の主体は「道具」ではない。主体はあくまで義務を感じている作者であり、「道具」は作者の手に入れるべき対象でしかない。つまり、q3において一番強度を持っているのは作者の義務感であり、「道具」は対象化されることにより強度を下げ希薄化する。あるいは透明化する。
 このように、島野の作品では、物質は緊密に連結されることにより互いに存在の強度を相殺し合い、あるいは主体の精神作用が明示的に物質を対象化し、それによって物質が透明化されていることが多い。


4.穏やかな敵意

 島
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