島野律子小感/葉leaf
 
空の「雨雲」への高速の垂直移動。などなど。これらの移動は折れ線によるカキカキしたものではなく、むしろ「蛇行」と呼ぶにふさわしい。つまり、曲線的に、余裕を持って、自然的に、弾性を持って蛇行するのである。
 というのも、言葉にまつわる意味や印象、イメージというものは有機的な広がりを持つもので、単純な幾何学ではとらえるのが難しいからである。有機的な広がりから有機的な広がりへと移動する仕方も、それらの広がりの有機性の反射を受けて有機的にならざるを得ない。
 さらに、描かれている情景が生活に密着したものであることも、詩行を蛇行させている。生活は我々に親しく、我々の有機的で曲線的な身体や行為、思考などによ
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