島野律子小感/葉leaf
 
事象からさらに別の事象へとどのように接続させるか、その選択を楽しんでいる。かくして、「夏」「足首」「雨雲」「影」が、「匂い」へと、多様な関係と間接性において遊戯的に接続されているのだ。天才が楽しみながら難解なパズルを解くように、世界の複雑な関係構造を熟知している島野は、楽しみながらそれらの関係の中の適当なものを選択して詩行として放り出す。島野は詩作においても遊戯の快楽の味をしめているのだ。


2.官能的な蛇行

 今の引用部(q1)では、詩行が七曲りに蛇行している。まず「夏」という大きな時空間の広がりから「足首」というその局部へと、全体から部分への移動。さらに地上的な「足首」から天空の
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