レビュー 適切な世界の適切ならざる私 / 文月悠光さん/露崎
ふつうの人が読み切るには時間と集中力が必要かな。わたし
は10日にわけてゆっくり読みました。
この本のおもしろいところは、作中の「私」が異様な存在感をはなっていると
ころだとおもう。タイトルにも登場しているように、とにかく「私」が色々な
作品に顔をだしそのたびに姿を変えてゆく。こんなに「私」を意識させられる
と、だんだん「私」がどんなやつなのか理解したくなってきて、今回はきみ、
どんなことを思うんだい?と考えつつ読んだりして、おもしろかった。これほ
ど「私」をしつこく強調した作品群はあまりないのではないか。スーパー自意
識をそこにみました。
また、10代のころを連想するよ
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