感情による共感、によらない一体感についての個人的な考察/テシノ
 
えもいわれぬ快感を抱いている事を白状しておこう。

「感情による共感」体験は、自分の経験ではない出来事を自分の過去の出来事と上手く擦り合わせ、自分のものとする作業だ。
恐らく、人はそのようにして自分の世界を広めていくのだろう。それは広大な地に柵を立て、自分の敷地を広げていくのに似ているように思う。
しかし、人はその柵を飛び越えて外へ出て行く事はできない。私達は飽くまで「自分」という柵の内側からしか柵を立てられないのだ。
言ってしまえば「自分」とは記憶であり、記憶とは過去の経験である。そして経験とは、その時に生じた感情によって分類されている場合が多い。
簡単に言えば、いい思い出と悪い思い
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