乱視/高梁サトル
に陶酔する”と走り書きしたメモを丸めて棄てる
(喜びよ汝の魔法の力がこの世のしきたりによって断ち切られたきずなを元通りにしてくれる)
眼が覚めるたびに呪文のように唱えてる
幼い頃は魔法使いなんて嘘吐きだって馬鹿にしていたけれど
信じることに全力で取り組んでこなかった
僕はそのツケを今払ってるんだと思う
心配しなくたってあの子は頭がいいから大丈夫さ
少し自失したらまた取り戻して歩き始めるよ
欲しいのは大げさな愛情や啓発じゃなくて
アンビバレンスを集束する知識や熱情なんだ
もし与えたい気持ちがあるのならそうゆうものにしてくれよ
未分化なふたりが出会って一瞬でも癒された
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)