大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
人、流れに沿って進んでいく先でなにかを思い、ほかにはどうすることもなく騒ぎたてるだけだ。
 でも、流れの中に碇を打つような意志を放りこめば、流れは僕にとって慌しい声を浴びせてくるだろう。流れは僕のそばを通り過ぎながら「あとから来る者は、かならずオマエを引きずりまわしてくれる」と言って脅していく。そうなれば、流れたちの世間話では僕の噂が絶えなくなる。
 あぁ、僕もいずれは流れたちに忘れ去られ、どこかの窪みに溜まったカスとして少しずつ形を崩し、小さくなりながら、どの流れの記憶にもない僕になってしまうのだろうか……?
 イスごとうしろに倒れると、眼前の川から水気を吸っていた芝生が僕の身体を湿らせ、
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