大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
せ、気持ち悪い。このまま時間を過ごしていると、神経がすり減っていく。
 ――この程度の場所で削り取られていくのは無意味だ――
 身体を起こした僕は飛んでいた蚊を握り潰し、そいつを餌にして以前に見た大蛇を誘き寄せた。
 潰れた蚊は、僕の内部に設置されている?出来事を見る通路?を進み、その後?出来事を感じる部屋?の奥へ吸いこまれる手前で、濁った水の渦に巻かれながら姿を消そうとしている。
 すると大蛇が首を伸ばし、死骸にパクついた。死骸は渦に引きちぎられ、半分は部屋の中に、もう半分は大蛇に取りこまれたらしい。
 蚊の死骸を濁った水とともに体内へ取り入れた大蛇は、口を大きく開け、身をよじらせなが
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