大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
よくわかった。大きく口を開き、舌を出したり引っこめたりしながら、腹を上に向けて悶えるように地面を這いずりまわっている。
 それは今の僕を悦ばせるのにピッタリの動きだった。ゾクゾクする。


     *
 ――想像力を与えよ。ちんけな想像力ではなく、眼前に広がるこのうねった川を埋め尽くすほどの想像力を。
 私がそれを授かったなら、流れに従うふりをしてなにも焦らず、嘲笑う表情をできるだけ隠しておき、好きなときに反乱を起こすつもりだ。以前に握り潰し、踏みしだいたものの存在をすべて忘れ、次のものだけを越えていく気持ちで――。
 きっと、越えたものを振り返りさえしなければ、私が迷うことなどあ
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