大蛇と影を重ねて/ポッポ
の濃い向こうへと、元気よく夢中で走っている。見ていた僕は必死になって少年を追いかけはじめた。理由はわからない。?とにかく少年を捕まえなければならない?と思いこんでいる。……あの先にある光へ、少年が完全に融けこんでしまう前に……。
自分がどんな顔をして追いかけているのかはわからないが、いっそう目には厳しくなる光に顔を歪めて追いかけた。少年は追ってくる僕に気づいたらしい。こっちへ振り向くと笑顔を閉じ、次は脅えた顔を開く。
僕が少年を捕まえるのに手こずっていると、僕にピッタリついていたヒレンクターが少年の足に飛びかかって噛みつき、少年を転ばせることに成功した。
少年は足を噛まれた痛みと、転ん
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