シコシコ/攝津正
言う事を深刻に悩むようになったのである。そして、倉庫内労働者である自己が耐え難いと感じるようになった。
昨年末から二月に掛けて、妹尾美里、橋本一子、石田幹雄、二代目・高橋竹山、松本茜、兵頭佐和子、宮野寛子とピアニスト中心に多様なアーティストを聴いてきた。その度に攝津は敗北感に打ちのめされた。自分の表現は此処には届かない! 自分は素人でしかなく、「プロ」になど未来永劫成れる筈が無い! そういう思いで一杯になり、攝津の下らぬ自意識とプライドは粉々になり、「ドラえもん」=前田さんの「褒め殺し」をもってしても維持出来ぬ迄になった。それが攝津の病気の根本原因である。それと、フリーターズフリーに依頼されて
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