シコシコ/攝津正
だが、死ぬ勇気と決断力がどうしても出て来ない。結局、惰性で生きる事になる。死ねない。
こういう事を、二十年間も繰り返してきたのだ。その間人生浮き沈みはあったが、基本は変らなかった。今後も変らぬであろう。そう思うと暗澹とした。自分は生きるのが下手なのだ、と攝津は考えてみたりもした。不器用で、なっちゃいない。どうにもならぬ。
この駄文も堂々巡りの同じ事の繰り返しである。何の価値も無い。それをどうする事も出来なかった。
木曜日、攝津は来週から仕事に行こうと思った。昨日迄は辞める積りであった。木曜日、退職願いを郵送しようと思っていた。だが、木曜日になってみると、仕事に行けるような気になって
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