シコシコ/攝津正
 
ってきたのである。実際行けるかどうかは、行ってみなければ分からぬ。出勤を続ける事は無理だと判明するかも知れぬ。だが、やってみなければ分からぬ、と攝津は考えた。始めから諦める必要はないと。
 自分の判断が正しい、或いは妥当なのかどうかは攝津には分からぬ。あれだけ苦しかったのだから、もう限界かも知れぬ。或いはまだやれるのかも知れぬ。それは分からなかった。だがやってみようと攝津は思った。

 友人が来て帰った。盛んに攝津の事を具合が悪そう、辛そう、大丈夫か?と言う。攝津は、自分は他人から客観的に見てそんなに病気に見えるのか、と落ち込んだ。確かに主観的にも苦しいが、客観的にもそう見えるのか。
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