恋の後引き/番田
社会からの圧力が腕を組んで待っているだろうと、ぼんやり参考書や過去問題を図書館で開こうとするほど大学の門は固く閉ざされ、開こうとするほど、どんどん遠のいていくように思えた。親にはもう受験のために支払う財力もなく、「他の道に進め」と言われてもいてこの先生きていけるのかすら絶望的で、それに大学に入ったとしても気難しい僕がチンピラ連中とうまくやっていける保証はどこにもなく、通帳には少なからずの小銭が舞っていた。(それともこの僕を貧乏だと思っているだけなのか)こんな時間だというのにベンツが行き交う。この街に越してきた頃は、欲しいと思ったものは女子高生でも手にしようと思えた。ビルの脇に沈んでいこうとする夕日
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