恋の後引き/
番田
夕日は速度をはやめ、通り過ぎる車の窓ガラスは数センチ開いているものもちらほらとあった。
厚手のコートやダウンを脱ぎ捨てた少女たちの装いは十分に軽さを増し、極彩色をした歌舞伎町の看板が遠くに揺れている手前に吉野屋と松屋があり、マクドナルドも曲がったところに赤い看板をぎらつかせていたのかもしれない。この季節にしては少し厳しすぎるような風が巻いているのか、それとも僕のハートが寂しいだけなのだろうか。
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