大森にて??とある放浪別記??/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 

 ほどなく飯場にトラブルが重なった。
 逃げようと思い、内金を我慢して二十日以上待った。
 辞めると持ち金が十五万ほどになった。
 そのとき変わった上が、お前も俺から逃げやがって、という目をした。
 かまわず挨拶をして飯場を後にした。
 適当なアパートを探そうと思った。
 どこへ行っても貸してはくれなかった。
 職がなく、保証人もいなかったからだ。
 親に頼もうにも不仲だった。
 弱い心はすぐに折れ、金もいつしか底をついた。

 キモチ、イイ?
 訊かれる。
 わかっていた。
 自慰をし過ぎたせいだろう。
 風俗には数回行った。
 いつも結果は同じだった。
 
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