大森にて??とある放浪別記??/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 

 それでもよかった。
 ただ女の肌が恋しくて行く。
 それだけだった。
 あいまいな返事をすると、また作業に戻った。
 時間は、料金分の四分の三ほどになろうとしていた。

 働くのに疲れホームレスになった。
 その類の仲間とはつるまなかった。
 寝る場所はその日ごとに変え、狙われないようにした。
 自販機の釣り銭をあさったりして食った。
 それでも食えないときだけ新聞を頼った。
 数ヶ月経っても求人広告のスペースは四面を埋めつくしていた。 
 適当な日払いの仕事をした。
 たまにテレビを見ると派手な光景ばかりだった。
 戦後始まって以来の稼ぎ時。
 こんな事になって
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