大森にて??とある放浪別記??/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
選び電話すると、すぐ決まった。
 電話の指示通り所沢駅に行くと、白いライトエースに子牛のように連れられ、部屋に組み込みの二段ベッドが八つある六畳ほどの部屋に押し込まれた。
 十日契約というシステムだった。とにかく十日間働いたら金をもらい、それ以降続けるかどうかを選ぶ。それまでの間に金が尽きれば、内金といって、働いた分の中から一日五千円まで前借りが出来るようになっているので、それのお世話になる。
 当時はだいたいどこの飯場でも似たり寄ったりの事をやっていた。
 日当は一万円。その中から朝夕の食事代込みの寮費が一日二千円引かれ、残りの分の、内金を引いた分をまとめてもらう。だいたい五、六万だった
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