大森にて??とある放浪別記??/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
さっぱり理解できなかった。わけもわからないまま言われたとおり足場材を運んだ。
 十日ほどたった頃我慢の限界を超え、気まぐれに実家にいた頃作っていたサラ金のカードで金を引き出すと仕事を放り出して何日か遊んだ後、親方に辞める旨を告げて街に出た。

 女が一瞬上目遣いで見つめる。
 何も思わなかった。
 ただ身を任せる。
 女はまた作業に戻り、工夫をこらす。
 努力の甲斐なく、高原にはたどりつけない。

 少ない手持ちで、スポーツ新聞を見つめる。
 バブルだった。
 紙面を開けば、一面全部が求人広告だった。
 それで、住み込みの仕事を探す。
 紙面四つ分の求人広告から適当に選び
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