大森にて??とある放浪別記??/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
涙するようになった。
確実に蝕まれていると感じた。
ふいに女が恋しくなる。
金と気分の都合しだいだ。
心にぼんやりとスキが出来るとき。
決まって風俗かパチンコが相場だった。
九割方後者だったが、何回かに一回は前者だった。
行ってもむなしいとはわかっていた。
風俗で高みに到達したことが、ただの一度もないからだ。
ただ女の肌を確認する。
それだけのために、時には日給一日分を払った。
大森のビルに居続けるのも、あと少しだった。
もう時間だしいいよ、とやっと言う。
女は哀願するように謝るだけだった。
コメンナサイ、コメンナサイ。ホントニコメン
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