大森にて??とある放浪別記??/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 

 信じ込む以外に、逃げ道はなかった。

 山谷にも、たびたび泊まった。
 手配師の世話にはならなかった。
 手取りは少なくなるが、新聞で事足りた。
 街は便利だったがたまにソレ系の人がいた。
 よくナンパをされた。
 その趣味はなかった。
 そんなことがめんどうくさくなれば、また路上に戻った。
 仕事をしないで済む日は、図書簡で日中を過ごした。
 たまに金があればそれなりに遊んだが、だいたいはそうだった。
 一ヵ月もそんな風に過ごすと涙もろくなってきた。
 本に書いてあるちょっとしたエエ話や的なエピソードかなんかでよく泣いた。
 しまいには、火の鳥を読むとその度に涙す
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