夢の競馬場2/花形新次
 
、年の瀬大賞典に勝った名牝で、その名の通り、グラマラスなボディと派手なブロンドでとても人気がある。しかし父親は無名種牡馬、母親の先祖はサラブレットかどうかもわからないという血統のため、嫁ぎ先が決まらず年増になった今でも現役を続けている。同じ厩舎の良血馬“貴公子”ネオプレジデントとの適わぬ恋のために、一時調子を崩していたが、ネオプレジデントだけさっさと引退して北海道でハーレム生活をはじめてしまってからは、吹っ切れたのか、以前の力を取り戻してきているというもっぱらの噂だ。
発馬表に目を移すと、本紙予想に足並みを揃えるかのように、出走馬中唯一の牝馬マリリンローズに本命が並んでいた。
僕が思うに、マリ
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