TVで味は伝わらない/ふくだわらまんじゅうろう
 
おり、香りもなければ歯ごたえのシャキシャキ感もまったく損なわれて、細かく切った紙を食べさせられてでもいるような感覚だった。
 餃子がまたひどかった。まったくの肉餃子で野菜などまったく使われていないような味だった。現代人の一般的なグルメ感覚というものは、このような肉餃子を好むのかもしれないが外道の中の外道である。まるでシュウマイのネタをそのまま餃子の皮に包んで焼いたようなものだ。おまけにショウガやニラの香りもない。ニラの新鮮な緑色が透けて見える餃子を生まれてこのかた一度も食べたことがないという輩が作っているのだろう。そしてどこのどんなテレビ番組だか知らないが、その審査員たちも、生まれて初めて餃子と
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