黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
 
とださね」
 道化師が下品に笑いながら、黒頭巾ちゃんと指揮者の後を、ついていきました。

 そしてベッドの上でのプレイが済み、黒頭巾ちゃんが目を覚ましたとき、指揮者の神様は、もういませんでした。
 窓の外を見上げると、ぽっかりときれいなお月様が出ていました。
 満月でした。
 まだ夜は続いているのです。
 指揮者はきっと、別の奥さんを漁りに出かけてしまったのでしょう。
 黒頭巾ちゃんは、ベッドを出ると、放り投げてあったドレスを身に纏い、髪を適当になでつけ、部屋を出ました。
 バルコニーへ出ると、ホールからはにぎやかなワルツが聞こえてきます。
 このワルツは、もうあのマエストロの
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(2)