黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
に楽しかったなあ。久しぶりで修業時代を思い出しました。さて、今夜の僕のステージはもう終わりです。あとは、若い修行中のものにまかせるとしますよ。せっかくの仮面舞踏会を、僕も楽しみたいですからね。奥さんのような方と.....」
黒頭巾ちゃんが指揮者を良く見ると、髪には白いものがかなり混じっており、品の良い長い指も、骨張っていました。
(今日の神様は、ずいぶん年配の方のようだわ)
黒頭巾ちゃんは、そんなことを思いながら、指揮者に誘われるままに、バルコニーを抜け、指揮者の部屋へと向かいました。
「へへっ、世界的な指揮者なんて言っても、ひと皮剥けばただの男だね。熟れた人妻にはかなわないってことだ
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