黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
白い雪が降り積もっていました。
その広い部屋の、中央正面に据えられたスピーカーは、とても大きく頑丈で、素晴らしい音を響かせてくれるのでした。
黒頭巾ちゃんは、その頃、いつも神様と寄り添っていました。
その頃からもう、黒頭巾ちゃんは、神様の言葉通りに生きて行こうと決めていたのでした。
黒頭巾ちゃんと神様は、いつもしっかりと抱き合いながら、ステレオの音を最大にして、スピーカーの目の前で唇を貪り合っていたのでした。
(神様。好きよ。好きよ。愛してる。わたしはあなたのためなら何でもするの。どんなことでも、するのよ)
黒頭巾ちゃんの目から涙が流れました。
ふと気がつくと、演奏は
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