【批評祭参加作品】<椎野いろは>さんの『つなぎ』と『低気圧』を読んで/Kashin
回近付いてみるわけです。どんな作品も、色々な情報(手掛かり)が散りばめられており、受け取る者はそれを拾い集めます。
三連目は面白い展開を見せます。「カラス」は一般的に悪いイメージがありますし、「カラス」の語の直後に、「食い散らかされる前に」とあるので、おそらく語り手がここで提示した「カラス」の隠喩も、あまり良いイメージではないでしょう。カラスは黒なので、暗闇とか、宇宙とか、そういう怖いもの、呑み込んでくるような、そういうメタファー(隠喩)かと思われます。「夕日の端」は、夜(暗闇)の前ですから、「カラス」に呑み込まれる前となります。したがって、「夕日の端」は逆に、やや良いイメージのもので、それ
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