【批評祭参加作品】<椎野いろは>さんの『つなぎ』と『低気圧』を読んで/Kashin
 
れない」「詩にならない」と、人間から遠ざかっているもの(または停滞しているもの)になると思います。一般的に考えたら、詩になろうが、詩にならなかろうが、人間は人間だと考えるはずです。よく、一般的に、残虐な行為など、心無い事をする人間に対して、人間じゃないと言ったりしますが、この語り手もそれと似たように、人間の中にある何らかの部分を、人間らしい部分と、人間らしくない部分とに区別しているのかもしれません。

二連目、詩(人間)になれなかったぼくが、サラリーマン(おそらく、一般社会のシンボルみたいな意味)に踏み潰されるのを待っている。気が強い人間であれば、それに抵抗してもいいし、別に待たずに「水溜り(
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