【批評祭参加作品】<椎野いろは>さんの『つなぎ』と『低気圧』を読んで/Kashin
 
を読み解いて行きたいと思いますが、『つなぎ』の一連目にある「詩になる」というのはどういう事でしょうか。純粋な存在になるという事かもしれないし、矛盾を受け入れるという事かもしれないし、疑問を抱えるという事かもしれないし、光や闇になる事かもしれないし、冒険する事かもしれないし、生命に絶望・歓喜し、爆発する事かもしれないし、大きな意味で、戦う、または、逃げる、事かもしれません。人によって、「詩になる」という事がどういう事なのか、色々違うとは思いますが、今回重要なのは、この語り手が思う「詩になる」の意味です。この語り手が言うように、「詩になる」ことで、ひとつずつ人間に近づいていくのだとしたら、「詩になれな
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