【批評祭参加作品】つめたくひかる、3?江國香織の表記/ことこ
 
んできかせてもらった。(「蕗子さん」)

○(とられた体操着袋を水たまりの泥の中にみつけたときの哀(かな)しさと屈辱感、そして、一人だけ汚れた体操着をきて受ける体育の授業のいたたまれなさといったらない。)(「蕗子さん」)

 同じ話の中で「かなしい」は「かなしい」と「哀(かな)しい」(本文にもルビがふられている)の二通りの表記がある。他の場所でも、「かなしい」はこの二通りの表記が見られた。
 他にも、

○元来羊羹は苦手なので、買っても一口食べれば満足してしまうお菓子だったが、名前の美しさと姿の涼しさにつられ、毎年どうしても欲しくなった。(「水の輪」)

○私には父親がいない。死
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(1)