「えいえん 佳子1997 冬」「鳥の唄 2000 冬」全面改定版/ダーザイン
まに静止した。暫しぽかんと口を開けて空を見上げていた私たちは、静止した時間の中で、手を取り合ってお互いの瞳を覗き込んだ。小柄な佳子の瞳には、私と、私の上の空の青が映っている。
久々に身体を動かして上気した顔で息を弾ませながら佳子は言った。
「ねえ、えいえんって、こういうものなのかなあ。」
そうかもしれないね。
「ねえ、えいえんって何? どんなえいえん?」
さあ、どんなものだろう、きっとお日様の光のように暖かくて優しいものなのじゃないかな。
「そうかなあ、そうだといいね。」
誰もいない林の中に、雪球を投げて子供のように戯れる佳子の声が木霊した。
その晩、仕事を終
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