『批評際参加作品』私が読みたい詩-実存と世界性/ダーザイン
 
ロスの上では、錠剤の袋がかすかに音をたてている。門の向こうに車がとまり、礼服を着たシルビアの家族が午前のミサから帰ってくる。彼らは部屋に入って
着替えを済ませると、すぐにまた車に乗ってでかけてゆく。シルビアの家族は、小さな二人の弟もふくめ、みんな太っている。国境を越えて輸送される黄色やオレンジ色の炭酸水は、この国の神話のプログラムを見えないところで書き換えている。

パウンドケーキのような熱帯林の中央基線が交わるあたりには、巨大なショッピングコンプレックスが午後の陽を浴びて白く光っている。シルビアによれば、ここのフードコートで売られているピザやフライドチキンは、母がつくったものとは違う味がす
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