『批評際参加作品』私が読みたい詩-実存と世界性/ダーザイン
 
モダニズムの構築、弁証法の第一原理・異質なもののせめぎあい、中心と辺境とのせめぎあい、土俗とパンアメリカン、メディア化された現実への深い洞察、そして圧倒的な美質。完璧な筆力で現代を描き切る最大の文人である。彼が描くのは話者の主観ではなくて、話者がいる世界全体である。熱帯アメリカの過飽和なほどの光の描写を見よ、AYAKOと共にいた世界の完璧な描写を見よ。驚がく的な筆力である。

{引用=「シルビア」コントラ作

シルビアは恋人の兄のマルコスに「デブだ」とからかわれても、黙って顔をそむけるだけだった。雨上がりの日曜日。表通りのアスファルトから湿った風が這い上がり、リビングの古びたテーブルクロス
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