【批評祭参加作品】ひろげた本のかたち(佐藤みさ子)/古月
 
一人で考える
 ・首と身の模様つながるよう祈る
 ・両足を下ろす実印押すように
 ・窓みんな閉めると家が浮きあがる
 
 ・まず首をつくるそれから仕事する
 ・浴室に古い桜の木が一本
 ・身代わりになると言い張る犬連れて
 ・もうすこし掘れば出てくるわたしたち
 ・おばあさんはこれからいぬになるところ

 ・食べられぬものをひねもす焼いている
 ・次は終点ですと他人が声を出す
 ・万物をゆすり子供が通過する
 ・目から水出してせんたく完了す
 ・ガラス屋が来て落日をはめていく

 
 これらを読んで、どう感じられただろうか。
 おそらく、明るいという印象はさほ
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