【批評祭参加作品】ひろげた本のかたち(佐藤みさ子)/古月
 
意いただきたい。
 作品を通じて作者自身に切り込むような批評も、それが正当な方法に則って行われる限り許されるはずだが、わたしは彼女について論ずることを、正直恐ろしく思っている。佐藤みさ子は、わたしが広義の詩人の中でただ一人尊敬する書き手だ。本稿を書くに当たっても、これを書いたら失礼なのではないか、これは的外れなのではないか、と様々な葛藤をさんざんしたし、一からの書き直しも、都合十回ほど行った。それでも、最終的に本稿は、もっとも率直で、もっとも遠慮のないものになったと思う。それは本稿が、川柳の門戸を叩いたばかりのわたしから佐藤みさ子への、感謝と敬意を込めたラブコールであるからに他ならない。
 
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