【批評祭参加作品】つめたくひかる、1?江國香織『すみれの花の砂糖づけ』/ことこ
 
体の一部が、普通より低い熱をもっていると感じる。「凍えて手が―」
3人情味にかけ、冷淡なさま。つれない。「彼の態度が急に―・くなった」「―仕打ち」
(『明鏡国語辞典』)


 上で挙げた2篇では、どの意味にあたるだろうか。「9才」の「つめたそうに」というのは、1の「物質の温度が自分の体温より低い」というのであてはまるだろう。
 では、「おっぱい」の「つめたい/どうぐ」は、どうだろう。この詩の「つめたい」の場合、問題なのは、「物理的なつめたさ」ではなく、「精神的なつめたさ」なのではないか、と思える。つまり、「つめたいジュース」とか、「手がつめたい」とか言うのより、「つめたい仕打ち」の「
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