【批評祭参加作品】谷川俊太郎インタビューから考えた事/大村 浩一
 
は評価・対比しにくい。定型がない以上、その枠
組みをどれだけ見事に固守し活用できたかなどは関係ないし、宗教的・道徳的
な内容があるかどうかも関係無い。同様に哲学があるかどうかも無関係だし、
歴史的な研究成果があるかどうかも無関係だ。それら思想や知識がどれほど盛
りこまれていようと、言語による詩作品として、イメージとリズムの融合した
ものとして完成して人への共感を得られなければ、理屈っぽい分鬱陶しいだけ
のように言われる。
 大雑把には「それが芸術的に高められているか」というのが評価基準と言え
れば言えるのだろうが、さてこれら全てのことに通じた読者がどれほど居るだ
ろうか。そう考え
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