冬の博物館の前で/robart
 
る年”って呼んでるの。閏年の次の年は、うるうる年。かわいいでしょ。」
「素敵な名前だな。ひょっとすると、君はそういう才能があるんじゃないかな?そんな気がする。名前をつける才能。」
「本当に?」
「うん。らくだとか、うさぎとか、チュロだとか、最初は少し戸惑うんだよ。なんなんだそれは、って。だいたいそうさ。先駆的な、アヴァンギャルドな存在は必ずいつもそれを必死につぶそうとする連中がつきまとうんだ。そしてだいたいにおいてそれは全くの逆効果になる。人類が次の段階へ進むことへの、なんだろう、革命みたいなものへの一種の恐怖さ。集団的恐怖。でもそんなものはあっという間に消し飛ぶ。それが本物ならね。そして実
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