風のオマージュ その2/みつべえ
せたかしくらいしか知らなかった私には、この詩はやけに新奇なものに思えました。いまなら、言語のふしぎな機能美にうたれて眩暈をおぼえた、と書くところです。思えばあれが、生まれてはじめて現代詩に出会った私のカルチャーショックだったのでしょう。
ところで、私はこのとき正解(?)できませんでした。「蜂と花の情事」と書いて、力いっぱい×。
テスト終了後に、問題を作ったM先生が得意げに言いました。
「この詩は、村野四郎という詩人の『体操詩集』のなかの1篇です。」
後日、採点の結果を聞いてびっくり。ずばり「飛込み」と答えることができたのは、50人中たったの1人だったからです。あー、水泳の種目のことか
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