インド旅行記8(バラナシ)/チカモチ
 
んな寄ってたかって金を奪っていくのか。どこへ行っても金、金、金。もう疲れた。本当に疲れた。

火がついたようにわめきだした私に対して、老人は驚いて説得し始めました。
「お前、なんだって泣き出すんだ。俺が何をしたっていうんだ。そもそもここは泣くところじゃない。神聖でハッピーな場所なんだ。泣くんじゃない。それをお前はソーリーソーリーソーリーソーリー言いやがって。一体どうしたっていうんだ」

だってあなたが大金を払えって言うから。でも私には払えない。ごめんなさい。
なおも泣きわめく私に業を煮やす老人。周りには軽く人だかりができ、気がつけば火葬場に案内してくれた少年もじっとこちらを見ています。
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