インド旅行記8(バラナシ)/チカモチ
 
のですがそうもいかず。老人は「さぁ、もういいだろう」と言い、階段を降りていきました。

降りた先には老婆がおり、私にしゃがめと命じます。言われるがままにしゃがむと老婆はおもむろに私の頭に手をのせて、ぶつぶつと祈り始めました。

一通り終わったようなので顔をあげると、先ほどの老人が口をひらきました。
「この人は火葬場で自分の体を燃やしてもらうために、ここで死がおとずれるのを待っているんだ。だが、この人には薪を買うお金がない。今、彼女はお前やお前の家族の幸せを祈ってくれたんだ。お礼に薪代を寄付してやれ」

うんざりしました。覚悟はしていたけれど、また金食い虫です。「ごめんなさい。私にはお
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