365分の1としてのクリスマス、あるいは本のカバーについて/robart
もそうなのだが、色合いをとても重視する。服のサイズや値段や、あるいは少し変わった縫い方、生地、デザイン。それらはあくまで付随的なもので、僕にとってはまず何よりも色なのだ。インテリアや服や、あるいは雑貨といったものは実に購入することが容易い。つまり、色合いだけを考慮に入れてしまえばだいたいはうまくふるいにかけられ、ちょうど僕の気に入るようなものが最後に残るという意味において。考慮すべきはまず色合いなのだ。しかし本は違う。たとえばいま本棚に眼をやればリチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』が見える。ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』が見える。どちらもカバーをしていない。僕が外したのだ。つまりこういう
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