365分の1としてのクリスマス、あるいは本のカバーについて/robart
僕は彼女にうそぶく。
「鈴木大拙なんかを読んで、座禅でも組むんだ。」
僕は実際に去年のクリスマス、鈴木大拙を読んで座禅を組んだ。日本的霊性。禅と日本文化。静かに座禅を組み、無我の境地とやらをのぞいてみた。しかし彼女は冷たくあしらう。
「結局それって、クリスマスを意識してるってことじゃない。」
その通りだった。
「あなたは結局、サンタがプレゼントをいれるための靴下を裏返しただけなのよ。サンタなんて信じないとか言って、靴下を裏返して寝るのだけれど、裏返したところで靴下にプレゼントを入れることができるわけで、あなたは結局サンタを待っているのと変わらない。わかる?」
僕と彼女はこういった風
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